「練習」について

「思った通りに鳴ってくれない」

「なんでこんなに上手く演奏できないんだろう」

「音が外れまくって心折れそう」

そんなあなたの「練習」は「練習」になっていますか?

そんなことを感じることがあったので、今回は少し雑で乱暴な提案かもしれませんが“100回練”をオススメしてみたいと思います。

先日、こんなことがありました

ソロコンテストに向けての指導で

ある中学校で、放課後に一人10分、8人を聴かせていただく機会をいただきました

素晴らしい音色や演奏を沢山聴かせていただきました

一方で、気になったことが・・・
まるで自転車に乗れるようになったばかりの運転のような演奏で、力んでいたたり、危なっかしかったり・・・

「これまでその曲を何回通したのだろうか?」

決して、「努力してこなかったのか」という意味ではありません。
よい「練習」ができていたのか?ということです。

これは、上手い下手の問題(個人差)とは別の問題

(乱暴に言うけど)それ、下手なんじゃなく、ただ慣れてないだけ

ソロ、つまり一人で物語を語るパフォーマンスだとした時に、その物語を聴く人にスムーズに届けるためには、語る側が「自分の話」であるかのように言葉にしていきたい。

そのためには、本を手に持って文字を目で追い正確に読み上げるような話し方ではなく、伝えるべき相手の目をみて語りかけたい。

そのためには、楽譜から読み取ったその物語をまず「自分のもの」にすることが必須になる。

「自分のもの」にする手段として、確実なのは沢山「繰り返す」こと

もちろん、楽譜に書いてあることを「正確に演奏」することも大切、深読みして細かい表現でお化粧することも大切。

だけど、そこがゴールじゃない

それは「手段」。

慣れについては自分の問題

どんな有名な先生に教わっても

どんなに譜面とにらめっこをしても

そんなのは関係ない!

慣れるためには自分がやるしかない

慣れるための作戦

当然だけど、「練習」あるのみ。

しかし、その「練習」、本当に「練習」になってますか?

練習の「練」は「練る」の「練」

練習の「習」は「習う」の「習」

つまり、「習っては練り、練っては習い」でワンセット!

「習う」ことには貪欲なのに

練ることを
忘れてませんか?
逃げてませんか?
はぐらかしてませんか?

man running through dark tunnel escaping

「わかってるけど、部活の時間が短いし・・・」

ですよね。

わかります。

たった一時間しかないのに、ロングトーンはしなくちゃいけないし、今度の本番の曲も練習しなくちゃいけないし・・・

そんな、限られた時間の中で結果をしっかり出していきたい。

だったら一度、これを試して見てください。

“100回練

いやな予感しかしない?

もちろん、これが最善かどうかは人によるし、環境にもよる。

だけど、悶々としているのなら、試してみる価値はあると思います!

100回練のやり方(一例なのでアレンジしてください)

その名の通り仕上げたい曲やフレーズ、ソロなどを“100回”やるんです。

でも、ただやるのではなく、例えば各プロセスで以下の事を意識しながら、できるだけ止まったり、途中からやり直したりしない、という意気込みで!

あくまでも、意識の仕方の一例ですが

  • 1~20回目の20回
    超ゆっくり演奏(特に音色、ピッチ、インターバルについて確実に譜面から読み取ったイメージどおりの演奏ができるテンポ)
  • 21~40回目の20回
    目指すテンポの70%程度まで徐々にテンポアップしていく(音色、ピッチ、リズムに加えてしっかりと大袈裟に表現しながら演奏)
  • 41~70回目の30回
    さらに目指すテンポの90%程度までテンポアップしていく(音色、ピッチ、表現の質をキープしながら、特にリズムに躍動感を与え、フレーズを俯瞰的に(大きく)捉えていく
  • 71~90回目の20回
    ほぼ目指すテンポでこれまでのすべての要素について質をキープし定着させていく
  • 90~100回目の10回
    目指すテンポより少し(例えば10%位?)早めに設定して演奏(それでもパフォーマンスの質が落ちないか確認)

たしかに、方法としてはかなり雑な感じはしますが

本気でやれば必ず効果はあります

曲を自分の言葉にしていき、さらにそれが聴く人によく伝わるようにするには

習うことだけではなく、「練る=意識しながら繰り返す」ための時間とエネルギーが絶対に必要!

そして、限られた時間内に100回やるためには

披露する日から逆算して、計画を立て、淡々とこなして行くというクールさが必要!

熱意や感情だけではどうにもならないこともあります

その結果、自分のことを「才能がない」とか「下手」だとか思わないで欲しい。

悩んでいるなら、やってみて。
これさえやれば、素質や上手い下手は関係無く
99%自分らしい演奏はできるようになる!

まとめ

もちろん、書いたような「練習」を既にやっている人はいるでしょう。

そして、その人はきっと周りからも一目置かれるくらいには演奏していると思います。

今は「習う」ことについてはとても恵まれているケースが多いですが、「練る」ということがおろそかになっている、忘れられていることが多くないですか?

楽器は音楽をする「道具」ではありません。

今一度、楽器が体の一部になるように、楽譜にある音楽が自分の歌になるように、是非“100回練”やってみてください

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