ピッチをあわせたい

今回はピッチを合わせる「ヒント」を提案してみます(初心者向け)

「よくある悩み」と「結論(提案)」

  • 「高い」のか「低い」のかが自分の耳では分からない。
  • ピッチが悪いとよく指摘される。
  • 周りと同じ音を演奏しているのに、混ざらない気がする。
  • どうしたらチューナー無しでも自信をピッチに持って演奏できるのか知りたい。
  • チューナーでは真ん中を指しているのに、周りの音の中ではズレているように聞こえる。

他にも、管楽器をやっていると頻繁に「ピッチ」の問題に直面しますよね。

早速、結論から

・まずは同じパートの人としっかり何度も何度もロングトーン!

・チューナーを使う時は「頭」→「演奏」→「耳」→「目」の順番で!

とはいえ、実際には個々で色々な状況や原因があるので、全ての悩みが解決できる訳ではないです。

でも、私が16年以上大人の吹奏楽団や学生の吹奏楽部で、沢山の初心者やアマチュアのプレイヤーと接してきて得た沢山の経験が、誰かの役に立てれればいいな、何かヒントになればいいな・・・と思いながら書いてみますので是非最後まで読んでみてください。

ピッチの悩みは多くの人が日常的にかかえていることなので、解決策も色々聞いたり、調べたりしていると思います。

なので、よく聞く一般的な話は置いておいて、私なりのアプローチで提案してみたいと思います。

そもそも「ピッチ」とは

「ピッチ」= 英語の「pitch」

直訳すると「(音の)調子」となります。

・・・ピンとこない(笑)

アマチュアバンドの中で使われる「ピッチ」は、たいてい「音の高さ(音高)」を指していて

「ピッチが合ってないよ

って言われた時は、求められる音高よりも
「微妙に高い」or「微妙に低い」
状態だということを指摘してると思います。

音の高低を物理的に表現し共有するための物差しのようなもの。

つまり目に見えない音高の微妙な違いを区別するために
その音の「周波数(frequencyフリークェンシー)」を検出して
1秒間の振動回数を「hz(ヘルツ)」という単位をつけて数字で表現します。

例)442hz は、1秒間に442回振動して生み出される音。

数字が大きいほど「高い音」と感じ
数字が小さくなるほど「低い音」と感じます。

「今日は442でチューニングしてね」という時の「442」は
「A(A4)」の音を442hzに設定(calibrationキャリブレーション)して
それを基準に他の音の音程を取りましょうということ。

でも、学校なんかではそこまで説明されず
「チューナーを「442」という数字になるように「設定」する」
という作業になっていることが多いですよね。

そこで、指摘された時に自分が「上げるべき or 下げるべき」どちらなのかが、自分の耳で判断できる人と苦手な人がいます。

じゃあ、判断できる人は、なぜわかるのか?

それが知りたい!

そうなりたい!

安心してください。

ほとんどの場合、わからないのは
「耳が悪い」せいではなくて「聴くポイント」が違うだけなんです。

そして、違うということは感じているのに何度やっても合わせられないのも
「耳が悪い」せいではなく「ピッチを捉えるタイミング」が違うだけなんです。

どういうことでしょう?

説明してみますね!

チューニングのやり方

手順

では早速、オススメの手順をお伝えします。

チューニングの手順(一例です)
  • STEP 1
    これから出したい音(合わせる相手の音など)を、まずは頭の中で鳴らす
    (または声にだしてみる)
  • STEP 2
    イメージが出来たら、そのイメージをなぞるような意識で音を出してみる

    ここで登場!

    • 「聴くポイント」・・・聴くのは自分の音がイメージどおりかどうか
  • STEP 3
    違和感があった場合は、吹き続けながらピッチを上下させてみる
    または、チューナーを見て確認してみる

    ※上下しても合わなければ、「太い音」や「深い音」を出そうとしてみるのもアリ

    ここで登場!
      「ピッチを捉えるタイミング」・・・ここで合わせたい音を聴く時に「面」や「立体」で捉える

  • STEP 4
    合わせたい音と気持ち良く一つの音になれればVery Good!

「何と何を合わせるのか」によって合わせ易さは違う

そもそもここを勘違いしていたり、教わっていない人が多いです。
それはもう出口のない迷路に放り込まれたのも同然、無限地獄です。

「何と何を合わせるのか」という時の一つ目の「何」ですが、これはもちろん「自分」ですよね。
で、もう一つの「何」は色々なケースが考えられます。
いくつかを取り上げて順番に考えていきましょう!

自分の音と「チューナーの音」を合わせる場合

いわゆる「電子音」と呼ばれる類いの、あの「Peeeeeeee」っていう、細くて少し耳障りな感じもする「あの音」です。

あれと一緒に自分も音だしてチューニングしようという人は少ないかもしれませんね!

めちゃくちゃやりにくいですから!

なぜやりにくいかといういうと
例えば「A」ならその「A」の音(442hzなど)しかほとんど鳴っていないからです。

『「A」の音を聴きたくて「A」の音が鳴ってるならいいんじゃないの?』

ですよね!

もちろん出来なくはないし、間違ってもないと思います。
ただ、一番やりにくい方法だと思います。

逆に言えば、他にもっとやりやすい方法があるということです。

以下に合わせやすそうな順に、いくつかケースを上げてみます。

自分の音と「自分と同じ楽器の人の音」を合わせる場合

さっき、チューナーの音は「その音」しか出ていないから合わせにくいと言いました。

じゃあ、何となら一番合わせやすいのかと言うと同じ楽器で鳴らした音です。

電子音は人工的(電気的に)にその振動を発生させてその音が聴こえる仕組みです。
一方、管楽器やギター、ピアノなどアコースティックな楽器の音は、ある音を出すと同時に「倍音」とも呼ばれる「それ以外の音」も僅かですが含まれています。

自然界で聞こえる音は全て倍音(その他)を含んでいますが、楽器は豊かな音色にするために、出来るだけ沢山の倍音が響くように作られています。

つまり、電子音に合わせるよりもアコースティックな楽器の音に合わせる方が合わせやすいということになるのですが
それはなぜかと言うと・・・

例えば「A」の音を合わせようと音を出すと実際には同時に倍音が層の様に、幾重にも積み上がって存在してます。

その積み重なり方(何番目の倍音は多め、何番目の倍音は少なめ)のような差が、音色の違いとして人間には認識されます。
クラリネットとトランペットを聴き分けられるのは、倍音の違いを聞き分けられているということです。

ということは、、、

同じ楽器同士であれば、「A」の音を一緒に鳴らすと、その「A」の音だけでなく、その上に積み上がっている倍音も似た構成で重なりあっている(=面や立体のような状況)ので、「Aだけ(=線と線を合わせるような状況)」を聴いて感じるよりもズレを明確に感じられるんです。

線であわせるより、面や立体の方が対象との差が捉えやすいということです。

ちなみに、チューナーの音ではなくディスプレイの表示(左右に動く光)も、「その音だけ」について感知して表示しているので、まれに、チューナーでは真ん中(正しい周波数)を指しているのに、周りの音と合わないということが起きるのは倍音(構成や特性)が違っているということもあります。
(学校のバンドが音色も合わせるように指導する事がありますが、その理由の一つだと思います)

自分の音との「専用キーボード(ハーモニーディレクターなど)の音」を合わせる場合

同じ電子音でも、純正調に調整できる専用のキーボードについては「倍音」を意図的に多めに加えることができるので、チューニングをするという点では、少し合わせやすい、捉えやすいということになると思います。

自分の音と「自分と違う楽器の人の音」を合わせる場合

「音色」というものの違いは「倍音」の構成、特性の違いで認識されると言いましたが、同様に、種類や特性の異なる楽器と合わせるのは、チューニングという目的に限って言えば、同じ楽器に合わせるよりは認識しにくいと感じる場合があります。

ただし、異質のものが調和して生まれる美しさはあるので、あくまでもチューニングのしやすさに限っての話

自分の音と「ピアノの音(アコースティック)」を合わせる場合

また、アコースティック楽器の中でもギターやピアノについては、ハーモニーディレクターの様に純正調で和音がでる訳ではないので、乱暴な言い方をすると和音を奏でた時点である意味の「濁り」は生まれる。

「濁り」は倍音の不揃いのようなものなので、純正で鳴らすハーモニーディレクターの様な電子楽器よりも場合によっては「合わせ辛い」こともあるかもしれません。
(というか、ここでいうチューニングのイメージや考え方とは別のアプローチになる)

まとめ

もちろん、他にも実際の状況によって色々なアプローチがありますので、今回のチューニングはあくまでも一例です。

ただ、大事なのはチューニングの時に必ず「自分の頭(イメージ)」から始めることです。

「音を出して、チューナーを見て、チューナーが「0」を指すように見ながら調整する」という順番がくせになってしまっていると、いつまでたっても周りに合わせる力は身につきません

「頭(イメージ)」

→演奏

→自分の耳で確認

→(違和感があれば)調整

→それでも違和感があれば目で確認(ここではじめてチューナー)

チューナーを目で見て確認するのは最後の最後です。

悩んでいる人は、ぜひ明日やってみて!

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