【吹奏楽】音がアタラナイ金管人、連符がグシャっとなる木管人へ

二つの提案(初心者向け)

金管の人が曲を練習していて、どうしても譜面に書いてある音にアタラナイことは、初心者にはよくあります。

また木管の人が曲を練習していて、どうしても細かい音符でかかれたスケールなど(俗に言う「連符」?)がでてきた時に、細かい音を真珠のネックレスの様に美しく並べたいのに、ガチャガチャしたり、ボソボソしたりして、なんだかイヤだ、ってことも初心者にはよくあります。

そんな状況に出くわした時に、試してもらいたいことを二つ提案してみます。

もちろん他にも原因は沢山考えられるので、これで必ず解決するとまでは言えません。

でも、17年以上も悩める中学生を現場で見てきて、そんな楽器を始めて数年の人たちには、かなりの確立で改善できたことは事実です。

半信半疑くらいの気持ちで構わないので、タイトルのようなことが起きた時には思い出してやってみてください。

ということで、今回の結論は・・・

①声に出して歌う
②二割増しのブレス

「なんだ、そんなこと知ってる」って言われそうですが、現場に行くと本当にこれだけで改善する人が沢山いるんです。

知っているのに、やらなかったり、出来ていなかったりすることが多いのかもしれません。

では、説明していきます。

①声に出して歌ってみる

まず、なぜ歌ってみるのを勧めるのか。

私自身がそうなのですが、声を出して歌うっていう事自体が何だか恥ずかしいって人もいると思います。

でもここで必要なのは、人に聞かせる歌ではなく、自分に聞かせる歌なので、大きな声でなくても大丈夫です(もちろん大きな声で熱唱すれば、それはそれで効果大が見込めます)

歌ってみるメリット

  • 一旦楽器のコントロールから解放できる
  • 音程感を体感できる
  • 体の使い方を確認できる

などなど、他にも沢山のメリットがあると思います。

具体的な方法

金管の場合

※声は自分が認識できる声量でOK(もちろん大声でもOK)

  • まずはその「アテタイ音」を歌ってみる

    オルガンや他の人に楽器で音を出してもらえるとよい

  • 「アテタイ音」が歌えたら、今度はその「一つ前の音」を歌ってみる

  • 次は、「一つ前の音」に続けて「あてたい音」を歌ってみる

    その時の変化や体の使い方(変化)を意識して感じてみる

    喉に意識を集中して声を出した時、胸に意識を集中して声を出した時、みぞおちに意識を集中した時、骨盤で下支えするようにして声を出した時、など色々やってみて、声の響き方や、体の変化を感じてみる

  • 気持ち良く「一つ前の音」から「あてたい音」が歌える感触を掴めたら
  • 楽器で同じ手順をやってみる
    • あてたい音だけをつくる(鳴らしてみる)
    • 次に、一つ前の音をつくる(鳴らしてみる)
    • 一つ前の音→続けてあてたい音をロングトーンで鳴らす

      例えば60bpmで2分音符や全音符などから

    • 響きが壊れない様に注意しながら少し早くやってみる

      例えば60bpmで4分音符や8分音符など

    • 実際の譜面の通りのリズムやテンポでやってみる
    • キレイにあてられましたか?
木管の場合

※声は自分が認識できる声量でOK(もちろん大声でもOK)

  • スケールに出てくる音を出てくる順番に歌ってみる

    オルガンや他の人に楽器で音を出してもらえるとよい
    60bpmで2分音符など、とにかくゆっくりから

  • 楽器で同じ手順をやってみる
    • 一つ一つ響きやピッチを確認しながらゆっくりと
    • スラーの場合なら音の変わり目で響きが途切れていないか
      音質にムラが無いか
      60bpmで8分音符など
  • 目標のテンポまでゆっくりとペースを上げていく
    • 歌った時の音程感をなぞるように演奏する
    • 一つ一つしっかり響かせる
  • 連符の音をキレイに並べられましたか?

②2割増しのブレス

ブレスについては今回の課題に限らず、様々な課題の根本的な原因になっていることが多いですよね。

例えば

  1. 高音がでない(金管)
  2. 音が細い、固い、ぼやける
  3. ピッチが不安定
  4. 音形が明確にならない
  5. ダイナミクスの幅が狭い

などなど

「特別なブレスは必要ない」とか

「腹式だ、胸式だ」とか言う前に、

楽器を始めて数年は体全体を楽器だと思って

たっぷり大きくブレスするようにしましょう!

補足ですが・・・

強引なブレスとか極端なブレスなどのような

「特別なブレスは必要ない」ということには大賛成です。

要は自然な呼吸と、その延長線の呼吸(ブレスであることだと思います

「腹式胸式」についても、どちらかが良いとか悪いとかではないですし、自然なブレスの延長線であれば、どの道どちらも使うことになります。

ブレスに限らず「体の使い方」はどこまでいっても本人しか分からない感覚的なものですし、必ずしも同じことをしても、みんなが同じものを感じているかどうかはわかりません。

だから、動かし方や意識の仕方などを共有するのは難しいですよね。

だから

骨格見本を使って解剖学的に解説したり・・・

実際に見えるもの、一般的な経験や形容詞などに例えることで、共有できるイメージに置き換えて表現してみたり・・・

私は現場では後者で伝える事が多いです。

例えば

「メロンくらいの空気の塊を飲み込んでお腹に落とし込むように」とか

「ローソクを消す時の息の出し方をしてみて」とか

「温かいブレスをしてみて」とか

そんな感じ。

ということで、本題の「2割増しのブレス」ですが・・・

要するに「ひとまわり大きなブレス」をしてみるということです。
(嗚呼、感覚的!抽象的!・・・)

例えば、さっきしたブレスがミカンの大きさの空気の塊だったとしたら、ひとまわり大きいメロンの大きさの空気の塊を体に入れるイメージでブレスをしてみるとどうですか?

さらに小さめのスイカなら?

ボーリングの球だったらどう?

じゃ、かぼちゃはどうでしょう?

思いつくイメージで色々試してみると、美しく音が並ぶブレスの取り方が見つかるかもしれません。

この方法は、一度そのイメージを掴めると、また上手くいかない時に、そのイメージを思い出すだけで簡単に再現できるのも良いところです。

ということで

決して新しい話でも、斬新な手法でもなく、数年やっている人からは「ブレスが大事なことくらいわかってるよ!」と言われてしまいそうです。

でも現場へ行くと、

悩んでいたことが、ブレス一つで一気に改善した!

ということが毎回のように起きてます。

もちろん全てが解決するとは思いませんが、多くの人のヒントにはなると願って提案してみました。

1人でも多くの人の悩みが解決するといいなぁ

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